江國香織 著 新潮社 2007/3/1
『きらきらひかる』の十年後を綴った『ケイトウの赤、やなぎの緑』他、中編短編合わせた九編を収録。
文庫オリジナル。
ぬるい眠り 人間関係を定義するのは、なんて難しいのだろう、と思う。
普段から思ってはいることだけれども、江國香織の小説を読むと特にそれを強く感じる。
男と女で、肉体関係があるからといって恋人同士とは限らない。
肉体関係がないからといって、恋人同士ではないとは言えない。
互いに好き合っていて結婚しても、肉体関係がない夫婦だっている。
そして夫の恋人が男で、その恋人と妻の関係は-?
…って最後のは『きらきらひかる』の設定ですが、一言では表現出来ない関係の代表かな、と。
誰かに説明するのに定義は必要だけれど、定義しちゃうと味気ないなあと思うのです。
以下、ネタバレ含む感想。