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忘れぬうちに、すべてメモ。

「レフト・アローン」

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「レフト・アローン」

 SF中編・短編集。
 ネットワークとか、生物についてとか、神様についてとかにメインテーマを置いてる感じ。
 あとがき解説にあった“並列のネットワーク”ってのが興味深い。

画像レフト・アローン
藤崎 慎吾
 早川書房 ¥ 735


 それぞれの話については「続きを読む」以下に。
「レフト・アローン」
 英語表記は“LEFT ALONE”。
 五感を制御されたサイボーグ戦士の話。 
 制御、というか、コンピュータに変換された感覚で生きている兵士、って感じ。
 右半身は機械制御の、左半身は生身の感覚情報を得て、それを状況によって使い分けたり変換したりして脳に送られる。
 …という意味のタイトル、なんですよね?

「猫の天使」
 猫の見ているものを見られたら? と、いう話。
 猫が時々、何もない宙をじっと見ているのは……という辺り。ふふふ。

「星に願いを ピノキオ二〇七六」
 エイミー・トムスン(だったと思う)の「ヴァーチャル・ガール」を思い出しました。
 意思を持ったコンピュータが見る世界、という共通点からかな。
 脱走した違法人工知能が、新生児の脳に自分のコピーをダウンロードして人間たちに復讐してやろうとする話。
 クローニングした人間の脳を計算機代わりに使う技術を“ウェットウエア”と言うそうですが…現実だったらちょっと怖い。
 あ“歌う船”シリーズなんかと同じことか。そうか。

「コスモノーティス」
 主人公を“君”と呼びかけて語る、ちょっと珍しい小説。
 私の知る限り、ゲームブック以来w
 地球人類ではない人類が宇宙で暮らしている未来の話。主人公は「ソーラーセイル人」という新人類。
 周りのみんなは“共感覚”と言われるネットワークでつながっているけれど、主人公は遠くから誰かが呼ぶ声が聞こえる気がして、うまく交われない。宇宙の遠くへ行かなくてはいけない誘惑に駆られて…
 読後感が爽やかで好き。

「星窪」
 プロ並みの知識を持つアマチュア天文家のひいひいじいさんと、奄美の孤独な画家が160年前に行った文通。その不思議な中味とそこから予測された“天体ショー”とは?
 わたし的には“芸術は見せたいとか有名になりたいとかいう欲ではなく、花や蝶などの生物のようにひたむきな心から生まれなくてはならない”という画家の信念が胸を打ちました。真の芸術は孤独でないと生まれない、とか良く聞きますし。それはとても寂しい。“孤高”という単語を思い出してしまうのです。

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すずね
本と音楽、お茶とお菓子を愛する腐女子属性人間。
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