店頭で見かけて、読みたいと思ったけれど我慢した。
何故だか今読むべきではないと思ったから。
そして、やっと読もうと思った。それも何故だか分からないけれど、何年かに1度、そういう本が現れることが、ある。
小学生男子が主人公の「ABARE・DAICO」も併録されていますが、私が読みたかったのはテルミーの話。
親切な彼のことだから、セックスしてくれと頼めばしてくれるかもしれなかった。
でも私がしたいのはただのセックスではなかった。
ひとつにあるにはそれしかないという、かけがえのないセックスだった。まだしたことはないが、話には聞く。
テルミーは“一針入魂”なお縫い子で、他に何もない。
彼女が恋したシナイちゃんは歌に恋していて、彼にも歌しかない。
そんなふたりが心から結ばれることはありえない。
体だけだったら出来るけれど、欲しいのはそれじゃない。